◆表紙の作品
いわさきちひろ
草むらの小鳥と少女 1971年
春のやわらかな緑のなかで、少女は息をひそめて鳥に近づき、心を伝えるように、手折った花をそっとさしだしています。少女がもう一歩、近づいたなら、小鳥は驚いてサッと飛び立ってしまうかもしれません。そんな一瞬の光景をとらえたこの絵からは、少女と小鳥の間に吹き抜けるやさしい春のそよ風までも感じられます。画面左側に鉛筆で大きく描かれたナズナは、異なる画面を重ね合わせる映像の手法のように、私たちを春の野山へといざなう役目を果たしています。そして、その後方に描かれた小鳥のくちばしと、少女が手に持ち、髪に飾った花の黄色が画面に軽やかなリズムを生み出しています。
◇お詫びと訂正
印刷された「ちひろ美術館・東京 美術館だよりNo.167」の3ページ目、
金子みすゞプロフィールに、一部訂正がございます。
お詫びの上、下記のように訂正いたします。
(誤) 昭和5(1903)年
(正) 昭和5(1930)年

