まるごとちひろ美術館― 世界で最初の絵本美術館 ―

期 間 2015年10月28日(水)~ 2016年1月31日(日)
場 所 ちひろ美術館・東京
主 催 ちひろ美術館
後 援 絵本学会、(公社)全国学校図書館協議会、(一社) 日本国際児童図書評議会、日本児童図書出版協会、(公社)日本図書館協会、杉並区教育委員会、中野区、西東京市教育委員会、練馬区
124 こんな時代だからこそ、ちひろさんや世界中の絵本画家が描いた「やさしさ」「美しさ」を、子どもたちの真っ白な心に、そして、大人の心に伝えていけたら、こんなにうれしいことはありません。ちひろ美術館<東京・安曇野>館長 黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)
ちひろ美術館は、1977年に世界で最初の絵本美術館として、東京の練馬区下石神井のいわさきちひろの自宅の一画に開館しました。ちひろの作品から始まったコレクションは、エリック・カールの「おんどり」を第1号に世界各国の優れた絵本画家たちの作品も収集されるようになり、現在その数は約26,750 点(2015年7月現在)にのぼります。
本展では、いわさきちひろと世界の絵本画家の選りすぐりのコレクション約120点(内、ちひろ作品は約50点)を展示します。また、安曇野ちひろ美術館と、2002年にリニューアルしたちひろ美術館・東京を設計した建築家・内藤廣による建築の魅力など、さまざまな角度から、“まるごと”ちひろ美術館を紹介します。

エリック・カール(アメリカ) おんどり 1985年

世界で最初の絵本美術館

開館当初のいわさきちひろ絵本美術館(現・ちひろ美術館・東京)

ちひろ美術館が開館したのは、絵本画家・いわさきちひろの没後3年の、1977年です。開館当初の名称「いわさきちひろ絵本美術館」には、ちひろだけではなく、広く絵本の文化に寄与したいという思いが込められています。開館当初より、散逸しやすい絵本の原画を人類の文化遺産と位置づけ、世界の絵本画家の作品を収集、保存、研究、公開し後世に伝えていくという方針のもと活動を始めました。絵本を専門とする美術館としては、世界で最初の美術館であることは、後からわかったことでした。

Ⅰ いわさきちひろ

いわさきちひろ「ロンドン橋がおちる」 1966年

「世界中のこどもみんなに 平和と しあわせを」と願い、生涯子どもをテーマに描き続けた画家、いわさきちひろ(1918~1974年)。現存する作品は約9,450点に及びます。ちひろは原画が散逸しないよう大切に守り、多くを自らの手元に残しました。それらの作品が核となり、ちひろ美術館は誕生しました。ちひろ美術館のメインコレクションである、ちひろ作品の魅力を7つのテーマから“まるごと”紹介します。

1 自画像としての少女像
2 「子ども」を見つめて
3 ちひろとアンデルセン
4 ちひろの水彩技法
5 ちひろの絵本づくり
6 ちひろのあかちゃん
7 子どもたちに平和を
いわさきちひろ 1973 年,ピンクのセーターを着た少女 1970年

アヒルとクマとあかちゃん 1971年,戦火のなかの少女 『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)より 1972年

ちひろのアトリエ

ちひろ美術館・東京が建つ練馬区下石神井は、ちひろが画家として生きたほとんどの時期(1952~1974年)を過ごした場所です。当館では、ちひろの仕事が最も充実していた1972年ごろのようすを復元したアトリエを常設展示しています。このアトリエは、1963年の増築時に2階につくられ、以後ちひろが亡くなるまでの11年間使用されました。
アトリエ 撮影:嶋本麻利沙,アトリエの自画像 『わたしのえほん」(みどり書房/ 新日本出版社)より 1968年

Ⅱ 世界の絵本画家・日本の絵本画家

ちひろ美術館のコレクションは、ちひろの作品だけではありません。
世界33の国と地域の203人の画家による約17,300点(ちひろ作品を除く)のコレクションは、絵本の専門美術館として世界最大規模のものです。また国際アンデルセン賞画家賞受賞者を始めとする各国の代表的な絵本画家の作品や、世代を超えて読み継がれるミリオンセラーの絵本の原画など、質のうえでも高い水準を誇っています。
展示室2ではコレクションの選りすぐりの作品を、「世界の絵本画家」「日本の絵本画家」の2部に分けて紹介します。

1 世界の絵本画家

おじいさんのおとしたてぶくろに次々入っていく動物たち…。絵本『手ぶくろ』は日本でも早くから親しまれているミリオンセラーです。
エフゲーニー・ラチョフ(ロシア) 『てぶくろ』(福音館書店)より 1950年

“色彩の魔術師”パツォウスカーによるグラフィカルな数の絵本『ふしぎなかず』の原画や、アジアやアフリカ、ラテンアメリカの優れた絵本画家たちの作品も紹介します。

クヴィエタ・パツォウスカー(チェコ) 『ふしぎなかず』(ほるぷ出版)より 1990年,フセイン・ジャマーン(スーダン)『魔法のビーズ』より 1997年

2 日本の絵本画家

日本で最初に国際アンデルセン賞画家賞を受賞した画家・赤羽末吉。当館では赤羽の全作品約6,900点を収蔵しています。

赤羽末吉 『だいくとおにろく』(福音館書店)より 1962年

後の日本の絵本に大きな影響を与えた茂田井武の名作絵本『セロひきのゴーシュ』、540万部を超えるミリオンセラー(2015.3月時点)の、日本で一番愛されているあかちゃん絵本の原画も登場します。

茂田井武 『セロひきのゴーシュ』(福音館書店)より 1956年,瀬川康男 『いないいないばあ』(童心社)より 1967年

Ⅲ 内藤廣によるちひろ美術館の建築

展示室4では、現代の日本を代表する建築家のひとり、内藤廣によるちひろ美術館・東京と、安曇野ちひろ美術館の建築を紹介します。 内藤廣がちひろ美術館に関わりを持つようになったのは、1993年のことです。
絵本の世界にふさわしい、居心地のよい空間をどうすればつくり出すことができるか試行錯誤が繰り返され、安曇野ちひろ美術館が1997年に誕生しました。2002年にリニューアルオープンしたちひろ美術館・東京の建物の設計も、内藤が手がけています。「ちひろさんの家に遊びにきたような感じにしたい」といってつくられたこの建物の空間のなかで、建築に込められた思いやさまざまな工夫をご覧ください。

安曇野ちひろ美術館

ちひろの心の故郷である長野県の安曇野・松川村。北アルプスを望むこの美しい風景のなかに、切妻屋根の安曇野ちひろ美術館が建っています。

安曇野館外観写真

ちひろ美術館・東京

ちひろが最後の22年間を過ごした場所に建てられた、東京・練馬のちひろ美術館・東京。

東京館外観写真


トットちゃんメモ画像

東京館の新しい建物に対しての、みなの要望を黒柳徹子がまとめた“トットちゃんメモ”。「今までの、やさしい、Intimateなカンジ。ほっとできるカンジ。ひそむカンジなど考慮に入れてほしい。」などのテーマが並んでいます。これが新しい建物の出発点になりました。

こどものへや,ちひろの庭

撮影:中川敦玲・嶋本麻利沙


内藤廣(ないとう・ひろし 1950-)
建築家。早稲田大学理工学部建築学科卒業。同大学院修士課程修了後、国内外の設計事務所を経て、1981年、内藤廣建築設計事務所設立。海の博物館(92年竣工)で日本建築学会賞など受賞。牧野富太郎記念館(99年竣工)で村野藤吾賞受賞。2001年より東京大学教授・副学長を歴任。2011年より東京大学名誉教授。2005年より当財団理事、2013年より当財団評議員。安曇野ちひろ美術館、および新・東京館の設計を手がけた。

展示関連書籍

まるごとちひろ美術館  世界で最初の絵本美術館 コレクション・ガイド

『まるごとちひろ美術館 世界で最初の絵本美術館 コレクション・ガイド』

監修:高橋明也(三菱一号館美術館館長)
編集:ちひろ美術館 出版社:東京美術
定価1,800円(税抜)B5 判、96 ページ

出品作品点数

いわさきちひろ 約50点
コレクション(ちひろ以外)約70点 計約120点

展示関連イベント

お申込みはこちら

ギャラリートーク

  • 日時:2015.11/7、11/21、12/5、12/19、2016.1/2、1/16
  • 時間:14:00~
  • ※参加自由、無料(入館料のみ)

松本猛ギャラリートーク

  • いわさきちひろの一人息子である松本猛がギャラリートークを開催します。
    家族だけが知る画家の素顔や思い出、美術館設立や作品にまつわるエピソードなどを、お話します。
  • 日時:11/1(日)14:00~
  • 講師:松本猛(絵本学会会長・ちひろ美術館常任顧問)
  • *参加自由・無料(入館料のみ)

10/28(水)~11/29(日)限定 入館料半額特典

  • 美術や建築を学ぶ大学・専門学校生、関連業種の方(例:美術館や建築・デザイン事務所勤務の方)は、期間中、入館料が半額(400 円)となります。 学生証や社員証などの証明となるものを受付にてご提示ください。

対談 松本猛× 高橋明也「ちひろ美術館のコレクションの魅力」

  • 世界で最初の絵本専門美術館として開館したちひろ美術館の意義と、コレクションの豊かな魅力を、ちひろ美術館創設者のひとりで、いわさきちひろの息子の松本猛と、三菱一号館美術館館長の高橋明也が語ります。
  • 日時:11/4(水)17:30~19:00
  • 講師:高橋明也(三菱一号館美術館館長・当財団評議員)・松本猛(絵本学会会長・ちひろ美術館常任顧問)
  • 定員:80名
  • 参加費:700円 *要申し込み 受付中
  • お申し込みはこちら

対談 内藤廣×面出薫「ちひろ美術館の建築と照明」

  • ちひろ美術館(東京・安曇野)の建物を設計した内藤廣と照明計画を担当した面出薫が建物の魅力について語ります。
  • 12/5(土)17:30~19:00
  • 講師:内藤廣(建築家、当財団評議員)・面出薫(照明デザイナー、ちひろ美術館・東京副館長)
  • 定員:80名
  • 参加費:700円 *要申し込み 11/5(木)受付開始

たてもの探検ツアー

  • 館の内外をめぐりながら、建物にまつわるエピソードや、そこに込められた思いをご紹介します。
  • ①11/29(日) ②12/20(日)各日15:00~15:40
  • 定員:20名 *要申し込み ①10/29(木) ②11/20(金)受付開始 
  • 参加費:無料(入館料のみ)

ドキュメンタリー映画「いわさきちひろ 27 歳の旅立ち」上映会

  • ①11/14(土)15:00~17:00(受付中)
    お申し込みはこちら
  • ②12/15(火)10:30~12:30 *11/15(日)より受付開始 
  • 定員:50名 *要申し込み
  • 参加費:無料(入館料のみ)

ちひろの水彩技法ワークショップ 手づくりぽち袋

  • 2016.1/2(土)、1/3(日)10:30~(受付10:00~15:00)
  • 定員:先着70名(当日申し込み、先着順)
  • 参加費:200円
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