<企画展>夢二からちひろへ
―子どもの本の先駆者たち―

期 間 2014年11月6日(木)~2015年1月31日(土)
場 所 展示室1~4
主 催 ちひろ美術館
協 力 婦人之友社、静岡市美術館、藤原浄峰
後 援 絵本学会、こどもの本WAVE、(公社)全国学校図書館協議会、(一社)日本国際児童図書評議会、日本児童図書出版協会、
(公社)日本図書館協会、杉並区教育委員会、中野区、西東京市教育委員会、練馬区、
大正モダニズムの時代、子どものための教育や本への関心が高まり、新たな文化が花開きました。芸術性の高い子ども向けの雑誌も次々に創刊され、童話、童謡に次いで「童画」ということばも生まれます。いわさきちひろは、まさに子ども時代にその文化を享受したひとりでした。絵雑誌「コドモノクニ」で見た当時の童画家たちの絵は、生涯ちひろの心の糧となりました。
本展では、いわさきちひろの作品と共に、日本の子どもの本に先駆的な役割を果たし、自らの芸術を子どもの本にかけた画家たち ―― 竹久夢二、岡本帰一、清水良雄、武井武雄、初山滋、深澤省三、村山知義、茂田井武―― の作品を紹介します。
激動の時代に、子どもの本の新しい文化を築き、多くの子どもたちに夢を与えた画家たちの、今見てもなお清新な世界をご覧ください。
竹久夢二 花の園 「子供之友」

【大正期の童画家たち】

大正モダニズムの時代に花開いた童画の文化。しかし日本が戦争へ突き進むなかで多くの作品は失われ、現存する作品は希少です。
「赤い鳥」「子供之友」「コドモノクニ」などに掲載された、竹久夢二や清水良雄、岡本帰一、武井武雄等の貴重な原画や資料が集結します。

岡本帰一 サンリンシャ 「コドモノクニ」

【戦中から戦後の子どもの本】

数多くあった子どもの雑誌は、終戦間際には最後の1誌も休刊となりました。 しかしながら、戦後、子どもの本への希求がふたたび強まり、1946年には、武井武雄や初山滋、村山知義らによって日本童画会が設立されました。
また、本展では、戦後の復興とともに次々に刊行された子どもの本で活躍し、子どもたちにあたたかな夢を贈った茂田井武の原画も展示します。

初山滋 日本けんぶつ 「コドモノクニ」より 1935年頃 ※個人蔵

【いわさきちひろの絵本】

「コドモノクニ」で岡本帰一や初山滋、武井武雄の作品を見て憧れたというちひろの絵に、子どもの文化を大切に考えた先輩たちの思いが引き継がれています。
ちひろの画業は、戦後の日本の子どもの本の復興の歩みと重なります。
初期の絵雑誌や童話集の仕事から晩年の絵本『ゆきのひのたんじょうび』まで、ちひろの画業を、年代を追って紹介します

いわさきちひろ 赤い毛糸帽の女の子 『ゆきのひのたんじょうび』より 1972年

画家紹介

竹久夢二 Takehisa Yumeji(1884-1934)
岡山県に生まれる。早稲田実業学校専攻科在学中から雑誌へ投稿、明治38 年末にデビューし、コマ絵や挿し絵を数多く発表。明治末から大正期にかけて夢二式と呼ばれる美人画を確立した。一方子どものための仕事も多く手がけ、童画の成立に大きな影響を与えた。 詩や童謡も数多く創作したほか、装丁や千代紙などのデザインも手がけたグラフィックデザイナーの先駆者でもあった。
岡本帰一 Okamoto Kiichi(1888-1930)
兵庫県淡路島に生まれる。東京第一中学校卒業後、黒田清輝に師事し白馬会研究所で洋画を学ぶ。1912 年、岸田劉生、高村光太郎らとフュウザン会結成。「金の船」の表紙で人気を博し、絵雑誌「コドモノクニ」創刊時の絵画主任も務めた。1927 年、日本童画協会結成に参加。当時の最新流行を取り入れた西欧風の家庭や子どもたちのようすは子どもたちの憧れであった。
清水良雄 Shimizu Yoshio(1891-1954)
東京に生まれる。東京美術学校西洋画科卒業。1913 年に文展に初入選。1927 年より帝展審査員。童画家としては1918 年創刊の「赤い鳥」の主任画家を務め、同紙の表紙、口絵、挿し絵で活躍。「キンダーブック」「銀の鈴」の表紙・挿し絵も手がける。1927 年、日本童画協会結成に参加。
武井武雄 Takei Takeo(1894-1983)
長野県に生まれる。東京美術学校西洋画科研究科を修了後、1924 年、日本で初めて「童画」ということばを用いて個展を開く。1922 年「コドモノクニ」の創刊に関わり、以後、同誌を中心に多くの絵雑誌で、空想力と機智に富んだ独創的な画風を展開した。1927年日本童画家協会、1946 年日本童画会結成に参加。戦後も長く童画家として活躍した。
初山滋 Hatsuyama Shigeru(1897-1973)
東京に生まれる。小学校卒業後、金属商、模様画工房に奉公に入り、後に日本画家の井川洗厓に学ぶ。1919 年創刊の童話雑誌「おとぎの世界」の表紙を描いて注目を集め、以後、絵雑誌「コドモノクニ」など、子どもの本の仕事を数多く手がけた。1927 年日本童画家協会、1946 年日本童画会結成に参加。戦後も長く童画家として活躍した。
深澤省三 Fukazawa Shozo(1899-1992)
岩手県に生まれる。東京美術学校で西洋画家藤島武二に師事。在学中の1919 年から清水良雄の紹介で雑誌「赤い鳥」に挿し絵を描き始め、17 年間にわたり同誌に関わる。1920 年帝展で「九月」が初入選。さらに「コドモノクニ」や「子供之友」にも多くの童画を描いた。1927 年に日本童画家協会結成に参加。
村山知義 Murayama Tomoyoshi(1901-1977)
東京に生まれる。第一高等学校在学中、羽仁もと子のすすめで「子供之友」に童画を発表。その後東京大学哲学科を中退し、ドイツに渡る。表現主義、構成主義の美術、演劇に傾倒し、1923 年帰国後、美術団体「MAVO」を結成。一方で子どもの雑誌に童画や童話を発表し、1927 年日本童画家協会結成に参加。新劇界で劇作、演出を手がけるかたわら、戦後も童画を描き続けた。
茂田井武 Motai Takeshi(1908-1956)
東京に生まれる。日本橋の旅館であった生家が震災で全焼。中学卒業後、太平洋画会研究所、川端画学校などで絵を学び、アテネ・フランセに通う。1930 年シベリア鉄道でパリへ入り、1933年に帰国。職を転々とした後、雑誌「新青年」などに挿し絵を描く。1947年、日本童画会入会。戦後日本の復興期に絵本、絵雑誌の仕事で活躍。1954 年小学館児童出版文化賞受賞。
いわさきちひろ Iwasaki Chihiro(1918-1974) 
福井県に生まれ、東京で育つ。東京府立第六高等女学校卒。藤原行成流の書を学び、絵は岡田三郎助、中谷泰、丸木俊に師事。1949 年、紙芝居『お母さんの話』を出版、翌年文部大臣賞受賞。1956 年小学館児童文化賞、1961 年産経児童出版文化賞、1973 年『ことりのくるひ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞等を受賞。子どもを生涯のテーマとして描いた。

主な展示作品

  • ☆前期(11/6~12/21)、後期(12/23~2015.1/31)で一部作品の入れ替えあり
  • 竹久夢二 花の園 「子供之友」より 1915年 ※婦人之友社蔵 (後期に出展)
  • 岡本帰一 サンリンシャ 「コドモノクニ」より 1926年 *
  • 初山滋 日本けんぶつ 「コドモノクニ」より 1932年 ※個人蔵
  • 武井武雄 りんごの皮むき 「子供之友」より 1927年 ※婦人之友社蔵
  • 清水良雄 お馬の飾り 「赤い鳥」より 1918年 *
  • 村山知義 こぐまさんの家族 「子供之友」より 1927年 ※婦人之友社蔵 (前期に出展)
  • 深澤省三 鳩 「赤い鳥」より 1935年 *
  • 茂田井武 とりよせのおじいさん 「キンダーブック」より 1956年 *
  • いわさきちひろ バラ飾りの帽子の少女 「子どものしあわせ」より 1971年 *
  • いわさきちひろ ぶどうを持つ少女「こどものせかい」より 1973年 *
  • *の作品はいずれも、ちひろ美術館蔵

出展作品数

  • 子どもの本の先駆者たち(ちひろ以外) 約65点
  • ☆前期(11/6~12/21)、後期(12/23~2015.1/31)で一部作品の入れ替えあり
  • いわさきちひろ(ピエゾグラフ含み) 約80点

夢二からちひろへ 展示関連イベント等

ドレスコード特典

  • 紫色のものを着用でご来館の方に、招待券プレゼント
  • 人気の高いちひろ作品のひとつ「ぶどうを持つ少女」が11年ぶりに東京館に展示されます。これにちなみ、会期中、紫色のものを着用でご来館のお客様に、次回ご利用いただける招待券(東京・安曇野共通)をプレゼントします。(お一人様1 回限り)
いわさきちひろ ぶどうを持つ少女 1972年

スライドトーク「夢二からちひろへ」

  • 日時:11/23(日) 15:00~16:00
  • 講師:竹迫祐子 (安曇野ちひろ美術館副館長)
  • 定員:50 名 ※要申し込み 10/23(木)受付開始
  • 参加費:無料(入館料のみ)
  • イベントの詳細はこちら



ギャラリートーク

  • 日 程:11/15(土)・12/6(土)・12/20(土)・2015年1/3(土)・1/17(土)
  • 時 間:14:00~
  • ※ 参加自由・無料(入館料のみ)



ファミリーギャラリートーク

  • ちひろの絵を対話しながら鑑賞します。ご家族でご参加ください。
  • 日時:11月22日(土)14:00~
  • 対象:小学生~大人
  • ※参加自由、無料(入館料のみ)



ガーデントーク ちひろの庭の花めぐり

  • 「ちひろの庭」や展示室で、ちひろが愛した草花などのエピソードを紹介します。
  • 日時:11月23日(日)14:00~14:30
  • ※ 参加自由、無料(入館料のみ)



松本猛ギャラリートーク

  • 日時:2015年1月18日(日) 14:00~
  • 講師:松本猛(ちひろ美術館常任顧問、絵本学会会長)
  • ※ 参加自由・無料(入館料のみ)



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