ちひろ美術館コレクション 奇想の絵本 ― 夢幻とナンセンス ―

期 間 2012年5月23日(水)~8月26日(日)
場 所 展示室2
ちひろ美術館は、世界最初の絵本専門美術館として1977年に開館しました。以来、すぐれた子どもの本のイラストレーションを貴重な文化財のひとつと位置づけ、戦後の絵本画家の作品を中心に原画の収集に努めてきました。現在、ちひろ美術館は、世界32カ国202名の画家による約17100点の絵本画家の作品を収蔵しています。

本展では、収蔵作品のなかから「夢幻」と「ナンセンス」をテーマに、新鮮な驚きに満ちた奇想の絵本に光をあてます。

夢幻

絵本のイラストレーションは、夢や幻の世界への扉を開きます。 なかでも、東欧では、独自の幻想を表現した絵本が多く見られます。豊かな民俗芸術や口承文芸の伝統と、イマジネーションを刺激する深い森を擁する東欧。チェコ、スロヴァキア、ポーランドなど東欧の絵本画家たちの作品は、ちひろ美術館コレクションの柱のひとつでもあります。これらの国では、社会主義体制時代に国営の児童書出版局から質の高い絵本が数多く生まれました。また、国の体制や思想に拘束されない自由な表現を求めて才能ある画家たちが、検閲のゆるやかな児童書の世界で活躍をしたという背景もあります。 画家たちは、事物を細密に描写し、現実と幻想を共存させたり、スケールや遠近感を変えて現実を歪曲したり、それぞれの手法で夢幻の世界をとらえています。
アルビーン・ブルノウスキー(スロヴァキア) 酔った龍 1990年 クヴィエタ・パツォウスカー(チェコ) 『紙の町のおはなし』(小学館)より 1987年 スタシス・エイドリゲヴィチュス(ポーランド) 『氷の精』より 1979年

ナンセンス

ヨーロッパでは、18世紀後半に起こった産業革命以降、市民社会が成熟し、子どもの本は急速に豊かになっていきました。教訓や教条的な内容だけではなく、ナンセンスに満ちたわらべうたや荒唐無稽な昔話が絵とともに表現され、今日みる絵本の形が成立していきます。絵本は、その始まりとともに奇想に親しんでいたといえるかもしれません。古典的なナンセンスの物語は、時代を超えて画家たちの想像力を刺激し続けてきました。日本では、大正デモクラシーの機運とともに誕生した子ども向けの絵雑誌を舞台に、童画がひとつの表現として確立していくなかで、ナンセンスの絵本が生まれました。
アンドレア・ペトルリック・フセイノヴィッチ(クロアチア) 『不思議の国のアリス』より 2002年 長新太(日本) 『ちへいせんのみえるところ』(ビリケン出版)より 1978年


関連イベント

ギャラリートーク

  • 日 程:6/2(土)・6/16(土)・7/7(土)・7/21(土)・8/4(土)・8/18(土)
  • 時 間:14:00~
  • ※ 参加自由・無料(入館料のみ)

主な展示作品 

出展作品数 54点
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