2009年度 友の会交流会

2010年2月28日(日)



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102名の参加者をお迎えし、東京館で、2009年度友の会交流会が行われました。 交流会開始までは、3月からの展示、「ちひろと金子みすゞ」展、「企画展 ポーランドの絵本画家たち」の自由観覧と担当学芸員によるギャラリートーク。 交流会第一部は、安曇野ちひろ美術館館長・松本猛のお話でスタートしました。 続いて、ちひろの友人で美術館創設時の理事・田中美智子さんと、ちひろの夫・松本善明さんの対談です。88歳の田中さんと83歳の善明さんの登場に、会場からは大きな拍手。「ちひろさん、私を見るなり『田中さんも年下なのね』って。"夫が年下"ってことだけど、私は6歳、ちひろさんは8歳だったかな。それで一瞬のうちに仲よしに」と田中さんがちひろとの出会いを語ると、すかさず善明さんが「7歳半です」と訂正。「8歳年上というと(ちひろが)怒るんだよ。正確に7歳半と言うようにと」との言葉に会場は爆笑の渦。ちひろからのラブレターに話が及ぶと、「60年近く前の手紙だから、すっかり忘れていたけど、改めて読むと、こんなに愛されていたのかと。死ぬまでに、それに値する仕事をしないといけないな」と照れながら話す善明さん。「善明がいないと絵が描けない」とちひろが日記に書いた真意を尋ねると、「さっぱりわからない」と一言。田中さんは「(善明さんが)絵のことをわからないのがきっと良かったのよ。(ちひろが)描くのを、手品を見るように驚き、感心して見ているから、ちひろさんにとって褒められているのと同じだったんじゃないですか。人間は、欠点も長所もみんな役に立つのよね」と評します。

入院先が偶然一緒だった、ちひろの最期の病床での思い出を、田中さんは「付き添いだった妹さんが呼びに来るから、毎日病室に遊びに行ってお見舞いの品をごちそうになっていたの。ちひろさんは食べないのよ。癌だなんて知らなかった。何も食べられなかったのね」「強く感じたことは、絵を描きたいという想い。昔自分が描いた絵を見て、今だったらもっとちゃんと描けるのにと嘆いていた。あんなに絵を描きたかった人が、描けなくなったということが、可哀想だし、もったいないし、残念」。そして、「こんなに夫を好きだったのかと思った。愛されるより愛する方が幸せというけど、ちひろさんを見て、本当にそうだと思った」と語られました。 終了後のアンケートには、「対談は本当に楽しく、同時に、ちひろさんの死を悲しみ、残念に思う気持ちが募りました」「心にしみる内容で、今をしっかり生きなければと思いました」といった声が寄せられました。

kouryuukai_02.jpg対談後は、もう一人のゲスト、山田洋次監督の映画「おとうと」のポスターを手がけた、松本春野さんをお迎えし、『絵本 おとうと』について紹介いただきました。古くからの会員の方の中には、ちひろの孫である春野さんの子ども時代をご存知の方も多く、会場は笑顔と暖かい拍手に包まれました。

第二部は、カフェに会場を移しての、茶話会です。春らしいスイーツやサンドイッチをアフタヌーンティーのイメージでご用意。ゲストの田中さんや春野さんも参加され、会場のあちらこちらで参加者の方同士、スタッフも交えての歓談の輪ができました。最後に記念撮影を行い、交流会は終了。開始前に降っていた雨もあがり、参加者の方が笑顔で帰路につかれました。 

(水谷麻意子)

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