館長あいさつ

黒柳徹子
ちひろ美術館・東京館長
 安曇野ちひろ美術館館長
(女優・ユニセフ親善大使)

子どもが大好きで、どの子にも幸せになってほしいと願い、子どもを描きつづけたちひろさん。そして、絵本のなかに、いまの日本から失われた、いろいろなやさしさや美しさを、描きたいと言っていらしたちひろさん。

ちひろさんの亡くなった3年後の1977年に、東京の練馬区下石神井の自宅あとに、「いわさきちひろ絵本美術館」(現ちひろ美術館・東京)をつくりました。「子どもって、こんなに可愛いの」「絵本の絵には、こんなにすばらしいものがあるの」、ということを知っていただきたくて。

私たちは、ちひろさんの絵だけでなく、世界で活躍する絵本画家の絵を、次の世代、その次の世代、もっと先の世代にまで伝えることができたらと考えて、集めてきました。1997年には、ちひろさんと世界の絵本画家の作品を、いつでもいっしょに見ていただけるように、安曇野ちひろ美術館を建てました。

今も、世界には戦火や貧困にさらされる子ども、豊かさのなかに暮らしながら暴力にさらされている子どもがたくさんいます。こんな時代だからこそ、ちひろさんや世界中の絵本画家が描いた「やさしさ」「美しさ」を、子どもたちの真っ白な心に、そして、大人の心に伝えていけたら、こんなうれしいことはありません。