©田沼武能
診療所入口で順番を待つ母と子(アフガニスタン・マスラック国内避難民キャンプにて)


アメリカでの同時多発テロ事件で6000人以上の方が犠牲になりました。
テロで、親や家族を失った子どもも、たくさんいます。心が痛みます。

でも、だからといって「報復」が破壊的手段で行われるとしたら、とても残念です。

何の罪もない、アフガンの子どもが死ぬかもしれないようなことは、避けてほしい。

7月末にアフガニスタンの国内避難民キャンプを訪ねました。
21年間も戦争が続いているこの国では、子どもたちは、だれ一人、「平和」を知りません。
内戦で100万人が死亡、600万人以上が難民となって、国外に出ました。
現在も国内避難民が110万人以上いて、その多くは、夫や父親を失った女性と子どもたちです。

しかも、30年来の干ばつで、この3年間、雨が降っていません。
住むところも、たべものも水もなく、土を食べている子どももいるほどです。
アフガニスタンでは、年間25万人の子どもが、栄養不良やありふれた病気で死んでいます。
乳幼児の死亡率は1000人中292人、世界で最も高い国の一つです。
ちなみに日本は1000人中4人です。
訪問した段階で、600万人が緊急の助けを必要としていました。
あのときの気温は45度。でも、冬は零下25度にもなります。

いま、国境は閉ざされ、物資は運び込めず、国連機関も活動できなくなりました。
ユニセフの職員も、外国人スタッフは、全員、パキスタンに出なければなりません。
ローカルスタッフはいるのですが、これも、いつまで働けるのか、わかりません。
すでに死の淵にある大ぜいの子どもを助ける方法は、もう、ほとんどないのです。

地雷で片足を失いながらも、粗末な義足をつけてもらって、
「また羊と暮らせる」と喜んでいた、羊飼いの少年の笑顔が忘れられません。

これ以上、アフガニスタンの子どもたちを苦しめないで!
一人でも、多くの人たちに、現状を知ってもらえたらと思います。
                     
ユニセフ親善大使
ちひろ美術館館長 黒柳 徹子
2001年9月30日

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