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vol.7 瀬川康男の絵本

かもとりごんべえ
かもとりごんべえ
西郷竹彦 文 瀬川康男 絵
出版社 ポプラ社 出版年 1968年
99羽のかもに連れられ、飛んでいくごんべえは、あわに弾き飛ばされ、かさに運ばれ、最後に着いた先は、都の五重塔のてっぺん。さあ、そこからどうやって下におりたものやら……。昔話にはめずらしく、一人称「わし」で語られています。 また、空を飛ぶごんべえの背景に施された青色は、紙の裏から刷毛で大胆に塗られ(裏彩色)、そのかすれ具合がスピード感を表現したりと、様々に技法が工夫され描かれています。 後期の細密に描きこまれた作風とは異なり、おおらか且つ軽妙に描かれたかもとりごんべえは、このスケールの大きなほらばなしにぴったりと合っています。
かっぱかぞえうた
かっぱかぞえうた
瀬川康男 作
出版社 福音館書店 出版年 1994年(こどものとも年少版202号) 1996年単行本化
「ひとつ ひめゆり ひょっこり かっぱ  ふたつ ふしぐろ ふたごのかっぱ」と リズムよく、韻を踏むかぞえうた。みずひき、よめな、いらくさ等、可憐な草花を手にし、装飾的に描かれたかっぱたちは、どこか愛らしく親しみが湧きます。 九つ、十では、八つまでに登場したかっぱたちが全員集合し、圧巻です。石膏下地の白を活かし、テンペラの鮮やかな色彩が美しい1冊。
瀬川康男画集 いきとしいけるもの
瀬川康男画集 いきとしいけるもの
講談社 編
出版社 講談社 出版年 2011年
2010年に急逝した瀬川康男の画集。I.絵本、Ⅱ.タブローの二部構成で、それぞれ、画業の変遷を追いながら、瀬川の作品をたっぷりと紹介しています。 1960年代の様々な技法に取り組んだ初期の絵本の時代、江戸時代の丹緑本*に魅了され、手描き絵本に取り組んだ70年代、そして80年代以降の装飾的な作品……。また、タブロー作品の美しさには、息をのむばかり。数々の作品からは、制作にむかう画家の真摯な姿勢がうかがえ、瀬川康男の魅力が詰まった見ごたえのある画集です。
*丹緑本:墨一色摺りのうえに、朱、緑、黄色などを手で彩色した江戸時代初期の板本。
  • 『つきをいる』 福音館書店 君島久子 訳 1962年
  • 『ふしぎなたけのこ』 福音館書店 松野正子 作 1963年
  • 『おしゃれなからず』 偕成社 イソップ 原作 濱田廣介 文 1964年
  • 『いないいないばあ』 童心社 松谷みよ子 文 1967年
  • 『たいようのぼうや』 学習研究社 ズデニェク・カ・スラビー 作 内田莉莎子 訳 1969年
  • 『鬼』 あかね書房 今江祥智 文 1972年
  • 『ことばあそびうた』 福音館書店 谷川俊太郎 詩 1973年
  • 『西遊記(上)』 福音館書店 呉承恩 作 君島久子 訳 1975年 ※2004年福音館文庫として復刊
  • 『流れのほとり』 福音館書店 神沢利子 作 1976年 ※2003年福音館文庫として復刊
  • 『ふたり』 冨山房 1981年
  • 『ぼうし』 福音館書店(こどものとも327号) 1983年 ※1987年単行本化
  • 『虫のわらべうた』 福音館書店(こどものとも365号) 1986年
  • 『清盛』絵巻平家物語(五) ほるぷ出版 木下順二 文 1987年
  • 『だれかがよんだ』 福音館書店(こどものとも年少版161号) 1990年 ※1992年単行本化