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vol.21アンデルセンと宮沢賢治の絵本

「ちひろが愛したアンデルセンと宮沢賢治」展(安曇野ちひろ美術館・展示室1)、
「世界の画家たちの愛したアンデルセンと宮沢賢治」展(安曇野ちひろ美術館・展示室3)開催中


<アンデルセンの絵本>


『白鳥』
『白鳥』
アンデルセン 作、マーシャ・ブラウン 画、 松岡享子 訳
出版社福音館書店 出版年 1967年
白鳥に変えられた11人の兄王子を救うために、さまざまな苦難を乗り越えていく王女エリザの物語。「しなやかなみどりのつるくさがおい茂り、まるでししゅうしたカーテンをつるしたよう」というような、アンデルセン童話らしい美しく繊細な描写を、絵本をはじめ、多くの児童文学の翻訳を手掛ける松岡享子が訳しました。マーシャ・ブラウンは、グレーが基調の絵に朱色のみで彩色をしています。そのシンプルで力強い絵が、エリザの美しさと困難に打ち勝ち、愛する人たちを救おうとする心の強さを、いっそう引き立てています。この絵本が、日本に紹介されて45年余。その絵と文章の魅力は色あせず、アンデルセンの世界に惹きこまれます。
『ぶたかい王子』
『ぶたかい王子』
リスベート・ツヴェルガー 画 北村太郎 訳
出版社 冨山房 出版年 1987年
貧乏だけれど名の知られた王子は、結婚しようと、皇帝の王女にプレゼントを届けます。5年に1度しか咲かないすばらしい香りのバラと、美しい声で鳴くナイチンゲールです。しかし、王女は、その価値を理解できませんでした。そこで、王子は変装して宮殿に赴き、豚飼いの仕事をあてがわれます。仕事を終えた王子は、鈴が沢山ついた曲を奏でる不思議な鍋をつくります。たまたま近くを通りがかった王女はこの曲を耳にし、この鍋が欲しくなるのですが、さて、豚飼いに扮した王子は王女にどのように答えるのでしょう。ツヴェルガーは余白をたっぷりとり、人間の愚かさや愛おしさを見事に表現しています。
  • 『ぶどう酒びんのふしぎな旅』 アンデルセン 原作 藤城清治 影絵 町田仁 訳 講談社 2010年
  • 『イーダちゃんの花』 H.C.アンデルセン 原作 角野栄子 文 市川里美 絵 小学館 2004年
  • 『おやゆびちーちゃん』 アンデルセン 作 木島始 訳 堀内誠一 画 福音館書店 1967年
  • 『おやゆびひめ』 H.C.アンデルセン 作 斉藤洋 文 西巻茅子 絵 岩波書店 2002年
  • 『おおきなおとしもの』H.C.アンデルセン 原作 ジャン・ウォール 文 レイ・クルツ 絵 ともちか ゆりえ 訳 ほるぷ出版 1979年
  • 『みにくいあひるの子』ハンス・クリスチャン・アンデルセン 作 スベン・オットー・S 絵 きむら ゆりこ 訳 ほるぷ出版 1979年
  • 『アンデルセン自伝 わたしのちいさな物語』 イブ・スパング・オルセン 絵 乾 侑美子 訳 あすなろ書房 1996年 
  • 『マッチうりの少女』ハンス・C・アンデルセン 作 ブレア・レント 絵 しかわ すみこ 訳 ほるぷ出版 1979年 
  • 『雪の女王』ハンス・C・アンデルセン 原作 ナオミ・ルイス 文 エロール・ル・カイン 絵 うつみよしこ 訳 ほるぷ出版 1981年
  • 『すずの兵隊さん』ハンス・クリスチャン・アンデルセン フレッド・マルチェリーノ 絵 トーア・サイドラー 再話 おぐら あゆみ 訳 評論社 1996年
  • 『おやゆびひめ』 アンデルセン童話 リスベス・ツヴェルガー 絵 かど創房 1982年

<宮沢賢治の絵本>


『オツベルと象』
『オツベルと象』
宮沢賢治 作、 荒井良二 絵
出版社ミキハウス 出版年 2007年
ある日やってきた白い象を、我が物にしたオツベルは、100キロの鎖を前脚に、400キロの分銅を後脚の靴にはめこみ、たきぎを900把運ばせたり、ふいごの代わりに半日炭を吹かせたり、とこき使います。10日が過ぎ、象が山の象に助けを求めると、象たちが大群になってオツベルをやっつけようと押し寄せます。ユーモアと悲哀が同居する賢治らしい物語。荒井良二の勢いのある、混沌としつつも鮮やかな色彩の絵が、「白い象だぜ。ペンキを塗ったのでないぜ。」といった賢治独特の言い回しに合い、美しい白い象、オツベルの不遜さ、怒り狂う象がなだれ込むすさまじさなど、賢治の世界を存分に描きだしています。ミキハウスによる、現在、活躍する絵本画家が手掛ける宮沢賢治絵本シリーズの一冊。
『ひかりの素足』
『ひかりの素足』
宮沢賢治 作 赤羽末吉 絵
出版社偕成社 出版年 1990年
兄の一郎と弟の楢夫は、父親が働く山小屋から家へ帰るために、雪の山をおります。ちょうど、炭をおろしに来た馬をひく人についてゆきますが、あと峠一つで家へ帰れると気が急ぎ、立ち話をする男を待たず二人だけでどんどん歩き出しました。しかし途中で雪が降り、立ち往生した二人が、ふと気づくと、不思議な国へ来ていて……。主人公が現生とあの世を行き来するこの物語には、賢治のアンデルセンへの敬愛も感じられます。赤羽の遺作となったこの作品では、彼が得意とする雪のさまざまな描写が目をひきます。
  • 『セロひきのゴーシュ』宮沢賢治 作 茂田井武 画 福音館書店 1966年
  • 『セロ弾きのゴーシュ』宮沢賢治 作 赤羽末吉 絵 偕成社 1989年
  • 『水仙月の四日』 宮沢賢治 作 赤羽末吉 絵 創風社 1997年
  • 『オッペルと象』 みやざわけんじ 作 きむらしょうへい 絵 ベネッセ 1991年 
  • 『狼森と笊森、盗森』 宮沢賢治 作、片山健 絵 ミキハウス  2008年
  • 『いちょうの実』 宮沢賢治 作 及川賢治 絵 ミキハウス 2008年
  • 『なめとこ山の熊』 宮沢賢治 作 あべ弘士 絵 ミキハウス 2007年
  • 『双子の星』宮沢賢治 作 遠山繁年 絵 偕成社 1987年
  • 『画本 宮澤賢治 雨ニモマケズ』 宮澤賢治 作、 小林敏也 画 パロル舎 1991年