少女はなにを見つめているのでしょうか。いきいきとした瞳、わずかにあがった口角、組んだ腕と手の表情から、豊かな感受性を持ち、好奇心に満ちたひとりの存在として、少女の姿が浮かびあがってきます。
「子どもを描いていると、自分の小さいときのことを自分で描いているという感じがします。」と語ったいわさきちひろ。
ちひろが生涯、描き続けた子どもの姿には、ひとり息子を慈しみながら育てた母親としてのあたたかなまなざしとともに、ちひろ自身のなかにある幼い頃の記憶がみずみずしく映し出されているようです。