緑の濃かった夏が過ぎると、次第に黄色や赤の色味が自然のなかにあらわれてきます。愛らしい実のついたこの植物は、ウワミズザクラでしょうか。秋に色づく木の実や木の葉は、ちひろの絵に繰り返し描かれ、春の花にも負けないほどの彩りを見せています。その植物の向こうで少女がひとり、あやとりをしています。一心に手元を見つめる少女の姿を見ていると、子どものころ夢中になって、「はしご」や「山」、連続技を練習したあの懐かしい時間がよみがえってきます。ひも一本あればいつでもどこでも遊ぶことのできるあやとりは、シンプルだけれど奥の深い遊びでした。