カレンダーの7・8月用に描かれた作品で、赤いつば広帽子をかぶった男の子の姿が、正面を向いて描かれています。Tシャツの胸のあるヨットとあいまって、背景に広がる水彩の淡く青い色調からは、夏の海を連想することもできるでしょう。
黒眼だけを強調して描いたつぶらな瞳、手のくびれや指先の表現など、この絵にはちひろの描く子どものかわいらしさの特徴がよく表れています。とくに指先の表情が印象的で、水彩のにじみだけで、からめた指の複雑な形を表現しています。「私は触って育てた」と語るちひろは、子育てのなかで、子どもが見せる愛らしい仕草をつぶさに観察していました。