いわさきちひろは、絵本『あかちゃんのくるひ』で、生まれたばかりの弟が、お母さんといっしょに家に帰ってくる日の心の動きをみずみずしくとらえています。少女は、まだ見ぬ弟を想像して、あかちゃんになにをあげたらよいか、大きくなったら、なにをしていっしょに遊ぼうかと想いをめぐらせます。そして、あかちゃんが来る前に、あかちゃんのために用意されていた帽子を、こっそりかぶってみます。帽子についたリボンを口にくわえた少女は、新しい家族を迎える期待や、お姉さんになる誇らしい気持ち、そして少し不安な気持ちも入り混じって、小さな胸を高鳴らせているように見えます。