あかちゃんの手足のくびれや、ふっくらとしたやわらかな肌の質感が、水彩の微妙なにじみと濃淡で描かれています。技法には、線を描かず色のにじみで形を表す「没骨法(もっこつほう)」が使われており、手や足、口もとにそえられた指先は、絵の具のたまりを利用して、しっかりとした輪郭を形づくっています。一方、やわらかな腹部やお尻は、水分を絞った筆で絵の具を吸い取ったり淡くぼかしたりして、まわりの空気と溶け込むように描いています。頬、膝や肘にほどこされた赤味は、透き通るような肌を通して、みずみずしい生命を感じさせます。未来に生きるあかちゃんの姿を、花のつぼみと重ね合わせています。