ふっくらとした頬の横顔にあどけなさが残るこの少女は、何を想っているのでしょうか。一瞬の風が運んできた緑の香りに、草原を駆けめぐる馬を空想している のかもしれません。長野県松本市にあったちひろの父の郷里では、一頭の馬を飼っていました。この絵には、ちひろが幼い頃にふれあった馬との思い出が重ね合 わされているのでしょう。 ちひろが愛した画家、マリー・ローランサンも絵のなかに乙女たちとともに度々、馬を描きました。とりわけ、牝の仔馬の健気な姿を好んでいたといいます。