雑誌「子どものしあわせ」1973年5月号の表紙を飾った作品です。五月といえば新緑の美しい季節、「若葉風」「青葉風」「青嵐」など、若葉を吹き渡る風 を表した季語が多くあります。新緑の爽やかな光と風を、水彩の淡い緑で鮮やかに表現したこの作品には、「風薫る」という季語がよく合います。少女の髪をな びかせ、風は少女の前方から吹いてきています。後ろ姿で描かれているため、人は少女に自分を重ねてみることができます。絵の前に立つとき、新緑の色や香り をも含んだ風が吹き寄せてくるような印象を受けるのもそのためです。黄色い花がワンポイントになって、緑の鮮やかさを引き立ています。