「びりりん びりりん かくれても だめ きこえちゃう」 雨の日、ひとりで留守番をする女の子の気持ちを描いた絵本『あめのひのおるすばん』の一場面です。しんと静まり返った部屋のなかで、突然電話の音が鳴り響 きます。部屋の内部の描写は省かれていますが、カーテンに隠れた女の子と、コードのよじれた黒電話、飛びすさる猫の微妙な位置関係や、背景ににじんで広が るグレーの色面が、空間に漂う不安と緊張を伝えてきます。カーテンの複雑な青の色は、絵の具を水で洗い落としては、また塗り重ねることを繰り返して出した といいます。