赤いサロペット姿の少女が描かれたこの絵は、1971年、月刊誌「子どものしあわせ」7月号の表紙のために制作された作品です。ちひろは、両手を上げて足を大きく踏み出した、少女の一瞬の動きを捉えています。背景やシャツ、髪など、画面には白が多く用いられ、少女の体に降り注ぐ夏の強い日差しが感じられるようです。幼いころ、毎年のように両親の郷里・信州へ行き、大好きな絵の宿題を忘れるほどに夏休みを満喫したちひろ。「子どもを描いていると、自分の小さいときのことを自分で描いているという感じがします」と自ら語ったように、少女は、子どもの心を持ち続けたちひろの姿とも重なります。