「あんよはじょうず ころぶはおへた」……。歩き出したばかりの男の子を見守る女の子はお姉さんでしょうか。しゃがんで彼の高さに目線を合わせ、微笑みながら、手を少し差し出しています。

 手前に咲く桔梗(ききょう)、コスモスなどの草花から季節が秋だとわかります。花々も、この様子を楽しげに応援しながら見ているようです。

 一歩一歩足を踏み出していく幼子を見つめているのは、左側の少女でもあり、花々でもあり、絵を見ている私たちでもあります。そして、絵を描いたちひろの画家としての、母としてのまなざしが、その全体を包んでいるようにも思えます。