夏祭りの日の出来事でしょうか。蛍を見に出かけた道の途中でしょうか。後ろ姿の少女が、小さな提灯を持った手を前に出し、片足をわずかに上げています。歩いている最中に、知り合いの男の子に声をかけられて、ふと立ち止まったところかもしれません。日中の暑さが過ぎ去った後の、ほの明るい闇のなか、白く可憐な花々に囲まれた2人だけの世界が浮かび上がります。女の子の浴衣の帯と下駄の鼻緒に使われた、はっとするような鮮明な赤が、青い背景の涼やかな印象を際立たせています。