大きな麦わら帽子をかぶり、日に焼けた肌にさわやかな風を受けながら、まっすぐに前を見つめている少女。水彩絵の具の濃淡を活かして描かれた緑色の背景は、新緑の木々を通して降り注ぐ木漏れ日を感じさせます。幼い頃、毎年のように訪れていた信州は、ちひろにとって心のふるさとでした。福井に生まれ、東京で育ちながらも、自らを“信州人”と語るほどこの地を愛していたちひろは、信州での思い出を髣髴とさせる作品を描いています。

この絵の少女にも、豊かな信州の自然のなかで、夏休みを思いきり謳歌していた頃のちひろの姿を見ることができます。