色鮮やかな手袋を片方外し、空に手をかざす少女。掌に落ちてきた雪の美しさを伝えようと振り向いたのでしょうか。つぶらな瞳の少女は、少し微笑んでいるように見えます。1950~60年代にかけて、ちひろの主な仕事だった月刊絵雑誌では、絵は詩や文章とともに掲載されることが多く、この作品も次の詩と合わせて発表されました。「ちら/ちら/こゆき/かわいい/ちょうちょ/ひら/ひら/とんで/おててに/おりて/ひらりと/とまれ/ひらりと/とまれ」雪を蝶にたとえた都筑益世の詩から想像を広げ、この作品では少女のまわりを舞う“雪花(せっか)”*が可憐に描きだされています。

*雪花=雪の結晶