色とりどりに咲く花と、飛び交う鳥たち。画面の下部には、鉛筆で描かれた家の見取り図が見えます。この絵は、雑誌「ペットのあるくらし」に収録された童話 「オウムの家」のために描かれました。物語は、鳥カゴのなかのオウムがカラーテレビで南の島をみたためにふるさとを思い出して不平をいい、「わたし」がオ ウムのための家を考えてあげる、というもの。ちひろは理想郷としての南の島の情景を、画面いっぱいの花で表現しています。にじみをふんだんに用いた花の鮮 やかさと、白抜きで描かれた鳥のすがたが見事なコントラストをなしていて、色合いの楽しさとともに、ちひろの卓越した水彩の表現力をみることができます。