青々と育つ両脇のねぎぼうずと麦。その間からは3人の子どもたちの姿が見えます。画家はこの作品を、草花とほぼ同じ高さの視点から描きました。これはいわ さきちひろが好んで用いた構図で、まるで草むらへ入り込んだように手前に草花を、奥に子どもの姿を捉えています。ねぎぼうずと麦の生命力あふれるみずみず しさに、ちひろは魅きつけられたのでしょう。ねぎぼうずの力強い線と、しなやかな麦の線は、ともに草間から顔をのぞかせる子どもたちの伸びやかに成長する 姿と重なります。白、黒、黄色の蝶が飛び交い、空はやわらかい色調で黄色やピンク、緑などに彩られて、画面全体が初夏のさわやかな喜びで満たされていま す。