縦10センチ程の小さな絵。ちひろはこの絵について「かきちらした小さな画用紙のうらにいたずら描きをしているうちに、わりと気に入った少女の顔ができま した。なんだか捨てがたく小さな額に入れておきました。」と記しています。アトリエに飾ったこの絵を見ながら、ちひろは「このこはどんなことを考え何をし たいのだろうかと考え」ていました。左上の紫色のにじみが、静謐な雰囲気を醸し出し、全体に薄く塗られた茶色は、表情に深みと温かみを与えています。小指 を口元にあて、少女は何を考えているのでしょう。その視線は、宙を見つめているようにも、また深く考えこんでいるようにもみえます。