画面上にぽっかりと浮かぶ、白く大きなお月さま。輪郭線は描かれず、やわらかな色彩のにじみだけでその外形が捉えられています。月と何か話をしているよう にも見える、うしろ姿の女の子。母親が赤ちゃんに語りかけるような、穏やかな言葉で綴られた、詩の絵本のなかの一場面です。
幼い子を包み込むように、淡くやさしい光を投げかける満月。透明感のある青に、薄緑や紫をさした複雑な色調のにじみの輪は、月の持つ神秘的なイメージや、 夜空の静けさを伝えています。少ない色数のなか用いられた紫の補色の黄色が、女の子の存在を印象づけ、月の光にほのかな温かみを与えています。