ちひろは、太陽の光を受け、様々な色にきらめく夏の海を表現しました。パレットの上で色を混ぜるのではなく、紙の上でいくつかの色をにじませて、色をつ くったり、水を加えて濃淡をつけ、色の明るさを調整しています。色とりどりの貝が散らばり、白抜きの魚が泳ぐ様子は、どことなく幻想的ですが、その中央に 立つ少年の赤い帽子が、少年の存在感を伝え、画面を引き締めています。腰に手をかけ、ちょっとかっこうをつけて立つ少年。向こうを向き、表情は見えません が、少し背伸びをして大人の真似をしたい年頃のわくわくするような夏の楽しい気持ちが伝わってくるようです。