周りが散らかるのも気にせず一心に机に向かっている男の子。この子は、小学一年生の社会の副読本『たろうとはなこ』の主人公の「たろう」です。ちひろはこの学校教材の編集に深く関わり、一冊の絵本をつくるように物語性をもたせ、全場面に絵を描きました。ちひろは当初、たろうが「家族の予定表」をつくっている姿としてこの絵を描きましたが、それから四十年余りが経った今、絵はことばから離れ、もっと自由な見方がされています。男の子が後ろ姿でいるために、どんな表情をしているのか、なにを書いているのかも想像がふくらみます。

この絵を使った「いわさきちひろ×佐藤卓」のコラボレーション作品が出品されます(3頁・図9)