あの子は/風のように/かけていったきり。

 

絵本『戦火のなかの子どもたち』のために描かれた作品で、駆け抜けていく少年の俊敏な動きと、鋭いまなざしに意志の強さを感じさせます。『戦火のなかの子どもたち』の制作では、まず絵を先に描き、絵を床に並べて順番を入れ替えたり、ダミーで構成を確認したりしながら、後から詩のような短い言葉をつける手法がとられました。鉛筆と薄墨によるモノトーンを基調にした一連の作品群のなかにあって、少年の背景に紫の色彩が施されているのは、当初この絵が、表紙候補だったためです。