美術館だより

ちひろ美術館では、作品の画像とともに紹介する展覧会の見どころや、活動報告、また、講演会やコンサートなどのイベントのご案内等さまざまな情報をお伝えする「ちひろ美術館だより」(年4回 A4冊子・6ページ)を、東京館、安曇野館にてそれぞれ発行しております。
各発行No.をクリックするとPDF形式でダウンロードできます。ぜひご覧ください。

東京館

No.196 2017.2.20
【表紙の作品】
いわさきちひろ
家並みの前のアンデルセン
1967年

アンデルセンの二十四歳までの半生をつづった自伝『わたしの少年のころ アンデルセンものがたり』の表紙のために描かれた作品です。デンマークの街オーデンセの貧しい靴職人の家に生まれたアンデルセンは、感受性の強い夢見がちな子どもでした。役者を志願して十四歳でコペンハーゲンにわたり、多くの挫折を経験しながらも、決して希望を失わずに、持ち前の無邪気さと人一倍の向上心で、自分の道を切り開いていきました。自伝の冒頭には、「わたしの一生は、美しい童話です。たいそうゆたかで幸福な童話です」と書かれています。ちひろはデンマークを旅したときのスケッチを生かし、若き日のアンデルセンの姿を描いています。

安曇野館

No.89 2017.2.20
【表紙の作品】
いわさきちひろ 「麦わら帽子をかぶったおにた」 1969年

大きな眼、大きな鼻、褐色の肌、縮れた赤毛、麦わら帽子に隠されているのは、角です。黒鬼の子ども、おにたは、人目につかないように、家に住みつき、人々の暮らしを見守り、陰ながら手助けをする親切な鬼です。それとは知らない人間は、節分の夜、豆撒きをしておにたを追い払ってしまいます。おにたは、角をかくすために麦わら帽子をかぶって、静かに家を出ていきます。ふっくらした頬や、帽子のひもをぎゅっと握りしめる手の表情にあどけなさがありますが、まっすぐにこちらを見つめる透徹した瞳は、強い光を放っています。人の心の機微を知り、優しい心を失わないおにたの性格が表れているようです。

BACK NUMBER
BACK NUMBER
学ぶ・楽しむのトップに戻る