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コレクション画家の絵本

『かいじゅうたちのいるところ』 モーリス・センダック 文・絵 神宮輝夫 訳 冨山房 (1975年)
『かいじゅうたちのいるところ』 モーリス・センダック 文・絵 神宮輝夫 訳 冨山房 (1975年)

おおかみのぬいぐるみを着たマックスは、大暴れをし、お母さんに夕ご飯ぬきで寝室に放り込まれます。すると、みるみる部屋は森に変わり、マックスは舟でかいじゅうたちのいる島へ……。

ページをめくるごとに、徐々に画面が大きくなり、クライマックスでは全面にかいじゅうたちが描かれ、迫力満点。しかし、センダックの描くかいじゅうたちは、どこかユーモラスで憎めません。それは、自身の叔父、叔母といった身近な人物をモデルに描いているからでしょう。

1963年にアメリカで出版されて以来、半世紀近く読み継がれ、愛されている絵本。

『ゴムあたまポンたろう』 長新太 文・絵 童心社 (1998年)
『ゴムあたまポンたろう』 長新太 文・絵 童心社 (1998年)

遠くの方から飛んできたのは、頭がゴムでできている「ポンたろう」。ゴムだから、どこにあたっても痛くありません。山にポン!オバケのオトウサンの頭にポン!おおおとこのつのにあたったり、はりねずみにサッカーボールにされたり……。ポンたろうは、いろいろなものにあたっては飛んでいきます。

画面に広がる蛍光ピンクやオレンジといった目の覚めるような鮮やかな色使いは、長新太ならでは。ナンセンス絵本の王様、長新太のユーモア溢れる世界が広がります。

『はなをくんくん』 ルース・クラウス 文 マーク・シーモント 絵 きじまはじめ訳 福音館書店 (1967年)
『はなをくんくん』 ルース・クラウス 文 マーク・シーモント 絵 きじまはじめ訳 福音館書店 (1967年)

しんしんと雪の降る森のなか。眠っていた動物たちが目を覚まし、はなをくんくん、動き出し、駆け出します。シーモントは、グレーを基調にした柔らかなタッチでこの絵本を描いています。

動物たちがたどり着いたのは、雪のなかに一輪咲く小さな花。モノクロームの世界に、唯一描かれた黄色い花が春の訪れをみなに告げるかのよう。うっふっふと笑いだし、踊りだす動物たちのうれしそうな表情!春が来る喜びがあふれんばかりです。春に読みたい1冊。


  • 『てぶくろ』 ウクライナ民話 エウゲーニ・M・ラチョフ 絵 うちだりさこ 訳 福音館書店 (1965年)
  • 『だいくとおにろく』 松居直 再話 赤羽末吉 絵 福音館書店 (1967年)
  • 『わたしのワンピース』 西巻茅子 文・絵 こぐま社 (1969年)
  • 『ふたりはいっしょ』 アーノルド・ローベル 文・絵 三木卓 訳 文化出版局 (1972年)
  • 『赤ずきん』 グリム童話 バ-ナディット・ワッツ 絵 生野幸吉 訳 岩波書店 (1976年)
  • 『はらぺこあおむし』 エリック・カール 文・絵 もりひさし 訳 偕成社 (1976年)
  • 『わにくん』 ペーター・二クル 文 ビネッテ・シュレーダー 絵 やがわすみこ 訳 偕成社 (1980年)
  • 『となりのせきのますだくん』 武田美穂 作・絵 ポプラ社 (1991年)
  • 『すきすきだいすき ブルーノのプロポーズ』 ピョートル・ウィルコン 文 ヨゼフ・ウィルコン 絵 いずみちほこ 訳 セーラー出版 (1992年)
  • 『アボガド・ベイビー』 ジョン・バーニンガム 文・絵 青山南 訳 ほるぷ出版 (1993年)
  • 『紙の町のおはなし』 クヴィエタ・パツォウスカー 文・絵 ゆうきまさこ 訳 小学館 (2000年)
  • 『きりのなかのはりねずみ』 ユーリー・ノルシュテイン、セルゲイ・コズロフ 文 フランチェスカ・ヤルブーソヴァ 絵 こじまひろこ 訳 福音館書店 (2000年)
  • 『ねえ こっちむいて!』 キアラ・ラパッチーニ 文・絵 おしばやすじ&ゆみ 訳 小学館 (2000年)
  • 『エルマーとカンガルー』 デビッド・マッキー 文・絵 きたむらさとし 訳 BL出版 (2002年)
  • 『もしもゆきがあかだったら』 エリック・バテュ 文 もきかずこ 訳 フレーベル館 (2003年)
  • 『かさどろぼう』 シビル・ウェッタシンハ 文・絵 いのくまようこ 訳 徳間書店 (2007年)
  • 『いつか空のうえで』 アンドレア・ペトルリック・フセイノヴィッチ 文・絵 まえざわあきえ訳 小学館 (2009年)

◆ちひろ・この一冊

『おふろでちゃぷちゃぷ』 松谷みよ子 文 いわさきちひろ 絵 童心社 (1970年)
『おふろでちゃぷちゃぷ』 松谷みよ子 文 いわさきちひろ 絵 童心社 (1970年)

「ねえどこいくの?いいとこいいとこ」「まってまっていまズボンぬいだとこ」と松谷みよ子がリズムよくつなぐ言葉には、子どものもどかしいながらも自分で色々なことができるようになったうれしさが伝わってきます。いわさきちひろの絵は、ぽちゃっとした子どものやわらかさ、肌のあたたかいぬくもりのある感触を、ひざこぞうや鼻の頭、指先など肌色にさしたピンク色から感じさせます。

ともに母である作家と画家によるこの絵本には、ふたりの母親としての実感や経験が活かされ、その愛情がたっぷりこめられています。