
ちひろ美術館コレクションの構成は、大きく三つに分けることができます。一番目はいわさきちひろとそれに関連する作品、資料。二番目は、国内外の現代絵本画家に関連する作品、資料。三番目は絵本の歴史に関連する作品、資料です。
ちひろ美術館のコレクションの第一の特徴は世界の優れた絵本画家たちの作品が集まっていることです。作品収集に当たっては、画家の個性、オリジナリティ、技術、絵本のクオリティなどが基準になります。作品は個人によって生み出されるものですが、そこにはそれぞれの国や地域の文化的伝統や風土が反映されていることが少なくありません。多様な個性と同時に、国や地域ごとの表現の違いを見ることも楽しいでしょう。
ちひろ美術館は、基本的には出版された絵本の原画をコレクションしています。しかし、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど経済的に恵まれない地域の画家の作品には絵本原画でないものもあります。これらは未出版でも出品可能な絵本原画展に応募した作品などから選んでいます。これらの画家のなかには日本や他の国で絵本を出版するようになった人もいます。また、絵本画家のなかには、同時に油彩画や版画や立体作品などをつくっている人もいます。作家の理解につながる場合はこういう作品もコレクションに加えています。
第二の特徴は、歴史的価値を持った絵本関連作品や資料が集められていることです。安曇野ちひろ美術館の絵本の歴史展示室では、古代エジプトの『死者の書』から絵巻物、江戸時代の絵本類、19世紀末から大きく広まった子どものための書籍まで、各時代や地域で、現代の絵本につながる歴史的作品や資料を紹介しています。
ちひろ美術館は絵本美術館のパイオニアとして、引き続き絵本原画をはじめとした作品や資料のコレクションに取り組んでいます。