BIB50周年 ちひろ美術館コレクション
絵本の歴史をつくった画家たち

会 期 2016年7月15日(金)~9月27日(火)
場 所 展示室3,4
ちひろ美術館は、いわさきちひろの作品以外にも世界33カ国203人の画家による絵本原画など17,400点(2016年6月現在)を有し、そのなかには国際アンデルセン賞画家賞やブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)など、国際的な絵本賞の受賞者も多数含まれています。本展ではBIB創設50周年を記念して、当コレクションより、BIBをはじめ国際的に活躍する各賞受賞画家たち50人余の作品約100点を紹介するとともに、各賞を通じて見えてくる、この50年の絵本の歩みにも注目します。

1960年代、東西冷戦の緊張が高まるなかで、絵本を通じた国際交流や相互理解を図ろうと、国際児童図書評議会(IBBY)を中心にした絵本賞の創設が相次ぎます。

1967年よりスロヴァキアの首都で開催されてきた「ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)」は、IBBYの各国支部の推薦を受けた絵本を対象に、グランプリのほか、金のりんご賞など各賞が授与されるものです。
欧米に限らず広く参加を呼びかけた結果、第一回BIBでグランプリを受賞したのが、瀬川康男の『ふしぎなたけのこ』です。ヨーロッパとは異なる独自の文化と伝統を持つ東洋の画家のグランプリ受賞は、東西をつなぐかけ橋としてのBIBを象徴するものであり、また日本の絵本界にとっても大いに意義のあることでした。当時の日本は第2次ベビーブームを機に、戦後の絵本文化が開花していく時期で、田島征三(1969年金のりんご賞)、谷内こうた(1979・80年金のりんご賞)と受賞が続きました。
アジアや中南米からの参加も増え、ヌーレディン・ザリンケルク(イラン1971年金のりんご賞)や武建華(中国1989年佳作)など受賞画家の多彩な顔ぶれは、絵本の発展と国際交流に貢献するBIBの成果を表しています。
2003年には、出久根育がグランプリを受賞、物語から紡ぎ出される視覚的イメージを濃密な筆致で表現した、独特の画風が評価されます。受賞作を描いた後プラハに移り、西洋の古典技法を学んだ出久根は、『マーシャと白い鳥』ではテンペラと油彩を併用し、重厚なマチエールと透明感ある色彩で幻想的な画面を作り上げました。本展ではほかにも、クラウス・エンヅィカート(ドイツ1979年グランプリ)やエリック・バトゥー(フランス2001年グランプリ)などBIB受賞画家の作品を紹介します。
瀬川康男(日本)『ぼうし』(福音館書店)より1987年
小さなノーベル賞ともいわれる「国際アンデルセン賞」は1956年から作家賞、1966年からは画家賞がIBBYによって授与されてきました。全画業が評価され、モーリス・センダック(アメリカ1970年)やタチヤーナ・マーヴリナ(ロシア1976年)、1980年には赤羽末吉が受賞を果たします。授与式で「日本の古い伝統的な美術の美しさに現代的な解釈を加えた」と述べた赤羽は、『そら、にげろ』で日本の四季を、豪華な歌舞伎舞台のように表現しました。ドゥシャン・カーライ(スロヴァキア1988年)、クヴィエタ・パツォウスカー(チェコ1992年)など同賞受賞12名の作品も展示します。

ランドセルをしょって並んで歩く1年生 1966年
クヴィエタ・パツォウスカー『ふしぎなかず』(チェコ)より1990年 ドゥシャン・カーライ(スロヴャキア)鍛冶屋と子ども2004年
「野間国際絵本原画コンクール」はアジア、中南米、アフリカを対象にした賞(2008年で終了)で、日本では紹介の機会が少ない同賞受賞13名の作品も展示します。絵本に新たな歴史を刻む画家たちの、魅力ある作品をご覧ください。
クラウディア・レニャッツイ(アルゼンチン)『わたしの家』より2001年

展示品数 約100点

関連イベント

ギャラリートーク

展示室で作品を見ながら、担当学芸員が展示のみどころなどをお話しします。

  • 日  程:7/23(土)・8/13(土)・8/27(土)・9/10(土)・9/24(土)
  • 時  間:14:30~15:00
  • 申  込:参加自由(事前申込不要)
  • 料  金:無料(入館料別)
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