ちひろ美術館コレクション 
衣装あれこれ!? 世界の絵本展

期 間 2015年7月17日(金)~9月23日(水・祝)
場 所 展示室3・4
本展では、ちひろ美術館コレクションから、衣装をテーマに世界各国の絵本画家の作品を紹介します。 当コレクションは、日本や欧米、アジアやアフリカ、中南米など世界33の国と地域にもおよび、その作品のなかには、さまざまな民族衣装も登場します。
ボロルマー・バーサンスレン(モンゴル) 『ぼくのうちはゲル』より 2004年
バーサンスレンの『ぼくのうちはゲル』の登場人物は、モンゴルの民族衣装デールを着ています。草原での遊牧生活を送るのに、立て襟と長い裾が日光や風、寒さから身を守り、折り返した袖を伸ばせば手を保護することができます。地域特有の自然環境や風土、生活様式の必然から生まれ、歴史を重ねて独自のスタイルに至った民族衣装は、その民族にとってのアイデンティティーを示すものであり、民族の象徴ともなりました。伝統が息づく多彩な民族衣装からは、世界の文化の多様性が感じられます。

エフゲーニー・ラチョフ(ロシア) 『つぼのおうち』より 1959年
ラチョフが描く『つぼのおうち』のオオカミは、ロシアでは高貴な人物が着用する襟が高く丈の長い外套に身を包んでいます。ロシア民話には、動物の姿を借りて、人間の本質や社会を風刺した寓話が多く、ラチョフは動物に衣装を着せることで、主人公の職業や階級などを巧みに表現しました。当時のソビエトでは、出版事業は国の統制下にあり社会主義リアリズムに即した表現が求められていました。風刺を含んだ着衣の表現に編集部は困惑し、動物をありのままの姿で描くよう求めますが、ラチョフはこれを頑なに拒否したといいます。ラチョフは「民話の動物は、森に住んでいる動物とはまったく違っています。(略)服を着たとたんに動物はある社会的な存在に」なったと語っています。
ローベルト・ブルン(スロヴァキア) 『シンデレラ』より 1989年
架空の世界を舞台にした物語では、絵本ならではの自由な発想で描かれた衣装が登場します。ブルンは、よく知られた『シンデレラ』の物語を、想像力を広げて登場人物や服装を独自の表現で描いています。丸みを帯びた有機的な形は、リアルな身体の描写とは異なりますが、どこかユーモラスで、薄い布をまとった裾のフレアの陰からは足のような形が透けて見えています。デフォルメされた顔や身体、細かな模様に彩られた奇妙な衣装や帽子が、不可思議な印象を与えています。
絵のなかに描かれた衣装からは、趣向を凝らした画家の個性とともに、世界各国の文化や伝統が見えてきます。

関連イベント

ギャラリートーク

  • 展示室で作品を見ながら、担当学芸員が展示のみどころなどをお話しします。
  • 日程:7/25(土)・8/8(土)・8/22(土)・9/12(土)
  • 時間:14:30~15:00
  • 申込:参加自由(事前申込不要)
  • 料金:無料(入館料別)
前のページへ