ちひろ美術館コレクション 画家たちのアトリエ

期 間 2013年9月20日(金)~11月30日(土)
場 所 展示室3・4
協 力 株式会社福音館書店
「私にとってのパラダイス」(ジャン・ギョクニル/トルコ)、「アトリエとは、舞台である」(于大武/中国)など、アトリエは、画家にとってさまざまな意味を持ちます。アトリエからは、「仕事場」であるとともに、創作のインスピレーションを生む場でもある画家の好みや、技法の工夫を知ることができます。

スズキコージの魔法の世界

初公開のスズキコージの「『やまのディスコ』のイメージ」は、縦横約2mの大作です。しろうまのみねこさん、やぎのさんきちくんといった絵本『やまのディスコ』の登場動物たちが、目の覚めるような鮮やかな大画面いっぱいに踊り狂っています。一部、ライブペイントで描かれたこの作品には、にぎやかな音楽が大音量で聞えてくるような迫力と臨場感があふれています。画家自身「魔法画」と呼ぶスズキコージの作品には、湧き出るエネルギーと魔力のようなものを感じますが、そのアトリエも、スズキコージの絵の世界のよう。画材にまじって、スズキコージが描いた絵やペイントされたモノがあり、魔法使いの部屋のような、妖しげな雰囲気を醸し出しています。
スズキコージ(日本)『やまのディスコ』のイメージ2013年 アトリエのスズキコージ 撮影:吉原朱美「母の友」2007年9月号(福音館書店)より

画家らしさのみえる場所 ビネッテ・シュレーダー

アトリエから見える景色や部屋に置かれたなにげない小物には、その画家らしさが垣間見られます。ドイツのシュレーダーの作品は、美しいグラデーションの深い青や緑が印象的です。その色彩は、アトリエの机に面した大きな窓から見える青々とした緑に重なります。机上には、貝がらや水晶、おもちゃのバッタ……、さまざまなものが並び、あたかも現代美術の作品のようです。集めた小石に細工を施し、顔に似せることもあるというシュレーダー。不思議な物語の世界を描く、画家ならではのアトリエです。
ビュッテ・シュレーダー(ドイツ)「美女と野獣」(岩波書店)より 1985年 アトリエのシュレーダー 撮影:Andrew Howcroft

エンリケ・マルティネスとハバナの地

部屋という空間だけではなく、アトリエのある地も、画家には大切です。マルティネスは、キューバのハバナにアトリエを構えています。アトリエ自体は、机ひとつの小さなものといいますが、バルコニーから眺めるハバナの建物や海、防波堤といった景色が、作品を描き続けるよい刺激となっていると語ります。マルティネスは、自由な発想と繊細かつ大胆な筆使い、ときにボール紙の断面までも駆使して、不思議な動物を描きます。ハバナという地そのものが、マルティネスのダイナミックな表現の源なのでしょう。
エンリケ・マルティネス・ブランコ(キューバ)「わたしの鷲」1991年 ハバナの街並みを眺めるマルティネス
本展では、長野県の青木村にアトリエがあった瀬川康男、チェコに暮らし、東欧の空気を作品に描きだす出久根育、韓国の伝統的な画法で描くパク・チョルミンなど、20の国と地域、約30人の画家による作品を、アトリエの写真や画材などとともに紹介します。

アトリエで、想像の翼を広げ、絵本の世界へと飛び立つ画家たち。作品の舞台裏を見ることで、画家や作品をより身近に感じていただければ幸いです。
出久根育(日本)『マーシャと白い鳥』(偕成社)より2005年


出展作品数 約80点

関連イベント

ギャラリートーク

  • 日  程 : 9/28(土)、10/12(土)、10/26(土)、11/9(土)、11/23(土)
  • 時  間 : 14:30~15:00
  • 申  込 : 参加自由(事前申し込み不要)
  • 料  金 : 無料(入館料別)
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