<企画展>国際アンデルセン賞受賞画家
アンソニー・ブラウン展 -ゴリラが好きだ-

期 間 2012年5月11日(金)~7月10日(火)
場 所 展示室4
後援 日本国際児童図書評議会、絵本学会、VIW Art Center
アンソニー・ブラウンは、2000年にイギリス人として初めて国際アンデルセン賞画家賞を受賞した絵本画家です。2010年にはイギリスで子どもの本の優れた作家・画家に隔年で与えられるChildren’s Laureateの称号を受け、2011年にその記念に初めて同国内で展示が行われました。今年ロンドンで開催される、IBBY(国際児童図書評議会)世界大会のポスターも、ブラウンの作品です。本展では作品約100点と資料を4つのテーマに分け、彼の絵本の魅力を紹介します。

ゴリラ、猿、チンパンジー

アンソニー・ブラウンの絵本は、世界中で翻訳され、読まれていますが、国を超えて愛されている理由の一つに、主人公が猿であることが挙げられるでしょう。
人間のように人種の違いがなく、かつ動物のなかでより人間に近い猿を、読者は身近に感じます。このような猿、ゴリラを描きつづけている理由の一つに、ゴリラは「見て飽きることのない生き物」で、「その複雑な皺やこぶ、毛や筋肉を描くことは喜び」であるからだと画家は語っています。毛や皺を一本一本丁寧に筆で描きこむブラウンの技術は、絵本を手がける前、医学解剖の絵を描いていた時代に身に付けたものです。
ゴリラを描くもう一つの理由は「父親に似ているから」です。ブラウンの父は体格がよく、いかつい顔をした人でした。ラグビーやボクシングを得意とし、息子たちにとってはヒーローのような存在である一方、一緒に絵を描いたり、お話をしてくれたり、というやさしい面も持っていました。大学生のときに最愛の父を失ったブラウンにとって、力強く、かつ家族想いで穏やかな性格をも持つゴリラは、父を連想させ、特別な想い入れがあるものなのです。
『ボールのまじゅつしウィリー』(評論社)より 1995年

家族

絵のみならず文章も手がけるブラウンは、自分にとっても、また、読者の子どもにとっても身近な存在である家族を繰り返し絵本のテーマに取り上げています。自らも二人の子どもの親であり、父親であることの難しさを知っているからこそ、冷静な目で家族を描けるのでしょう。

『おんぶはこりごり』は、家で何もしない父親と二人の息子に愛想をつかした母親が、ある日、ブタの世話はこりごり、という手紙を残して消える話です。これから起こるであろうことをまだ何も知らない晴れがましい男たちの姿が、どこかアイロニックに描かれています。

『どうぶつえん』に現れる父親も、理想とは遠く、腹を立てたり、だじゃれを言ったり、どちらが動物なのか、わかりません。これらの絵本で否定的な父親像を描くと非難されたブラウンは、今度は自分の父親をテーマとして、肯定的な父親が登場する絵本『うちのパパってかっこいい』をつくります。太陽を意識した明るい色を背景に、実際にブラウンの父親が着ていたのと同じ柄のガウンを着た主人公が、大活躍します。
『おんぶはこりごり』(平凡社)より 1986年 『どうぶつえん』(平凡社)より 1992年
現実と非現実が共存する不思議な世界を通して、明暗、短所、さまざまな側面をあたたかいまなざしで描きだすアンソニー・ブラウンの世界をお楽しみください。

展示品数 約100点
『うちのパパってかっこいい』(評論社)より 2001年

関連イベント

ギャラリートーク

  • 日 程:5/12(土)、5/26(土)、6/9(土)、6/23(土)
  • 時 間:14:30~15:00
  • 申 込:参加自由
  • 料 金:無料(入館料のみ)

巡回予定

<企画展>国際アンデルセン賞受賞画家
アンソニー・ブラウン展 ―ゴリラが好きだ―
ちひろ美術館・東京(2012年8月29日(水)~11月11日(日))
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